倉敷紀念病院 リハビリテーション部

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音楽療法室紹介

音楽療法は音楽を通じた人と人との交流です。
参加者、雰囲気、場所、様々な環境に合わせて音楽療法士が楽器を扱い、相手の方とのやり取りの中で音楽が生まれます。
同じ曲でもその時々で演奏方法を変えて、参加者の心に寄り添いながら、参加者と共に創り上げていきます。生演奏でのセッションを大事にしています。

音楽の機能・音楽の力

音楽は直接情動に働きかけます

音楽の機能・音楽の力

懐かしい音楽によって昔の思い出がよみがえり、様々な感情が引き出され、人生を振り返 ることができます。また、音楽から直接励ましや慰めも伝わってきます。

音楽は発散的です

心の中の気持ち、普段意識していない気持ちを表現することができます。自己表現や心の換気につながります。

音楽は体の動きを促します

行進曲やわくわくするような曲を聴くと、自然に体が動いてしまうことがあります。

また、自身が好む音楽の場合には、どんな曲であっても、体の緊張がほぐれ体表面の毛細血管が広がり、皮膚温が上昇、筋の緊張度が低下するという研究結果も報告されています。

音楽はコミュニケーションです

言葉を使わなくても、一緒に行うことで他者と共感し一体感を得ることが出来ます。人と人のつながりを、様々な壁を乗り越えて橋渡しする役割を担うことも。また、身体的接触が取りやすくなり、他者との交流が盛んにもなります。

音楽には多様性があり、適用範囲が広いです

年齢、性別、人種、環境などを問わず、活動の場を設けられます。

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音楽療法の目的

誠和会では、健康状態の維持・増進、生活の質の向上、身体機能の維持・改善、ストレスの発散、他者との交流、季節を感じる、等の目的を持って行っています。

誠和会音楽療法の3柱

1.声を出すこと、2.体を動かすこと、3.回想すること、に重きを置き、アクティブに参加していただくよう心がけています。

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音楽療法の方法と形態

方法

受動的音楽療法・・・聞く、BGMとして生活の中に取り入れる等、参加者が音楽を聞くことを中心に行います。

能動的音楽療法・・・歌う、演奏する、身体を動かす、創作する等、参加者が主体となって音楽を使った活動を行います。誠和会ではこちらの方法を主に取り入れています。

音楽療法の方法と形態
音楽療法の方法と形態

形態

療法士と1対1で行う個別、2~5名が集まって行う小集団、5名以上の方が集まって行う集団など、対象となる方や目的別に形態を変えながら行います。


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その他の取り組み

療法士とのコラボレーション

福寿荘や病院の療法士と協同し、個別や小集団での取り組みを行っています。

音楽療法の方法と形態

アロマとのコラボレーション

福寿荘5階にてエッセンシャルオイルの芳香浴を実施しています。また、歌唱や体操等の活動を行いながら香りを散布することで、参加者にどのような変化が見られるか、アロマセラピーと音楽療法の相乗効果についての研究も始めています。

施設外の活動

年に数回、地域の方々と一緒に音楽療法をする機会があります。その際、アンケートを実施し満足度を評価していただいています。近年の結果は以下の通りです。

実施年度 合計参加者数 満足度(10点満点中)
2017年度 124名 9.2点
2018年度 134名 9.3点
2019年度 137名 9.1点
2020年度 60名 9.4点

皆様から頂戴したご意見は日々の糧、活力となっています。

福寿荘療法士による楽器演奏会

鑑賞として年に1~2回リハビリの療法士による楽器演奏会を実施しています。季節や行事に合わせて、ミュージックベルやリコーダーを中心に様々な楽器を奏でます。利用者様から「よかったよ~」と、温かい眼差しとお声かけをいただき励んでいます。

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参加者の声

参加者の皆様及びご家族の皆様から下記のようなお声をいただいています。

利用者

音楽療法参加者の声
  • 若返った、昔を思い出した。
  • 元気になった。
  • 思い切り声を出して笑えた。
  • とても楽しかった。また参加したい。
  • 懐かしさ、ノスタルジー、等想われ、涙ぐましくなりました。
  • 前よりいろんな音楽を聴けるようになった。
  • 音楽と合わせると楽しいですね。自然と動けます。
  • 体が熱くなってよかった。
  • あんなに歌えるとは知らなかった(ご家族より)
  • 懐かしい。昔を思い出して涙が出る。

職員の声

  • 音楽の時は表情が違う。イキイキしている。
  • 音楽は心のやすらぎやコミュニケーションにつながる。
  • 歌は刺激になる。参加者を増やしたい。
  • 普段より利用者の発話が多かった。

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学会発表

  • 第60回日本病院学会(2010年)
    「認知症高齢者A氏に対する個別音楽療法の試み~キーボードを媒体として~」
  • 日本音楽療法学会中国支部 第25回講習会・第18回支部大会(2018年)
    「理学療法士・作業療法士と協同で実施した高齢者小集団音楽療法―多職種協同の利点と今後の課題―」
  • 第30回全国介護老人保健施設記念大会(2019年)
    「重度運動性失語症利用者に対する小集団音楽療法の効果」

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