「足もとから姿勢が変わる・・・」そんな治療機器が当院にはあります!
2019年度より、当院リハビリテーション部にLOFE®アーチサポートを導入しています。全国的に見ても、LOFE®アーチサポートを導入している病院や施設はほとんどありません。
LOFE®アーチサポートは、体の土台である足の形を整えると同時に、足の裏からの適切な感覚入力を促し、中枢神経系を介して、無意識な姿勢調整を可能にします。リハビリテーション治療の現場では、浮き趾の改善、立っている姿勢やバランスの改善、歩行速度の改善といった効果が得られています。
当院リハビリテーション部では、足の矯正を行う「中敷き」とは区別し、「脳機能賦活装具」と名付け、先端リハ機器として位置付けています。そして、LOFEアーチサポートを用いたリハビリテーション治療を確立するため、LOFEチームが存在し、適応となる症例・臨床効果・標準的な治療法を検討しています。
土踏まずを最適な状態で支え、足に加わる衝撃を足裏全体に分散させることで、驚きの効果が得られます!動画をご覧ください
外来リハビリへ通われていた患者様に対して来院時に使用しました。病気の影響で姿勢の崩れが顕著で、自宅での転倒を繰り返していたため、立っている姿勢改善とバランス改善を目的にLOFE®を使用してみました。
リハビリテーション治療中は終始LOFE®を装着し、筋力強化や動作練習、歩行練習を行い足底からの刺激を入れていました。
初めてLOFE®を装着した際、「後ろから誰かに押されているみたいに勝手に足が出て、面白いぐらい歩ける」と本人様からの感想がありました。即時効果として立っている姿勢の改善、歩く速さの改善を認めました。
LOFE®を気に入られたので自身の足に合った本人様用のLOFE®を購入し、リハビリテーション治療以外の時間でも使用することが出来るようになりました。購入直後は、今まで働いていなかった筋に刺激が入ることで、一時的な筋肉痛が出現したこともありますが、屋内では独り歩きでも転倒することなく過ごせるようになりました。
脊椎圧迫骨折(せきついあっぱくこっせつ)を何度も繰り返し、背骨が丸くなり(円背)、立っている姿勢の重心が踵にのっていたため、足の指は床から浮き上がっていました(浮き趾)。浮き趾とバランスの改善を目的にLOFE®を使用し、スクワットや歩く治療を行いました。退院時にはほとんどの足の指が床に接地しました。また、立つバランスが改善したため、独り歩きが出来るようになりました。
LOFE®チームは、LOFE®を用いた治療を当院リハビリテーションセンター内で推奨し、顧客への治療効果を最大限に高める事を目標にしています。
2019年11月 | LOFE®チームの発足 |
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2020年1月 | 足型測定のためフットプリント(写真1)の導入 |
2020年6月 | 実際の足のサイズで最適なLOFE®のサイズを選択できるよう「LOFEサイズ表(写真2)」を作成 |
2020年9月 | LOFE®効果として足の指の力(足趾把持力)も調査できるよう、足趾把持力計(写真3)の作成 |
2020年12月 | 収集したデータを基に、LOFE®装着時効果を検討開始 |
2021年5月 | 日本バランスポスチャリスト財団主催のLOFE®活動報告会にて当院のLOFE®を使用した臨床効果について発表 |
2021年6月 | 圧力測定フィルム(プレスケール,FUJIFILM製)を導入 |
2021年11月 | 伊勢眞樹「アーチサポートを用いた運動療法の効果」(第5回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会にて発表) |
2021年11月 | 尾崎史昌「歩行速度改善に LOFER アーチサポートが補助的に作用した左大腿骨転子部骨折症例の経験」(リハビリテーションケア合同研究大会兵庫 2021にて発表) |
2022年12月 | 尾崎史昌「LOFEアーチサポートの装着が立位姿勢制御に与える効果の検討」(第11回日本支援工学理学療法学会にて発表) |
2023年3月 | 尾崎史昌「LOFEアーチサポートが感覚入力に寄与した、回復期脳卒中患者の一症例について」(第2回姿勢足部医科学会にて発表) |
東海道・山陽新幹線のグリーン車にも搭載されているビジネス・オピニオン誌Wedge(ウェッジ)の取材を受けました。
Wedge :2020年2月号、8月号、2023年4月号に当院が紹介されました。
今後は長期的なLOFE®使用治療によって得られる効果や、効果の持続についてデータを収集し、当院の腰HALチームと連携を図りながら、独創的な治療法確立を目指していきます