倉敷紀念病院 リハビリテーション部

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外来・特殊疾患病棟チーム

外来・特殊疾患病棟チームの紹介

対象疾患

特殊疾患病棟は重度の意識障害や神経難病の方が8割を占める病棟となっています。低酸素脳症や脳出血・脳梗塞後の遷延性意識障害の方が入院されています。神経難病としては、当院では大半がパーキンソン病の患者さんです。他には多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、筋緊張性ジストロフィー、ALS、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の方も居られます。

外来は骨折や人工関節置換術後の整形疾患やパーキンソン病、COPD、自動車運転再開を中心とする社会復帰目的の脳血管障害、高次脳機能障害の方を対象としています。介護認定を受けていない方がほとんどで、介護認定を受けている方は介護保険サービスへの移行を進めています。

また、急性期病院から心臓リハビリテーション外来の受け入れも積極的に行い、心臓リハビリテーションチームが対応しています。嚥下外来からの紹介で摂食機能療法もSTにて実施しています。

チームの特色

少数精鋭メンバーで特殊疾患病棟と外来を担当しています。お互いのフォローなくしては業務が成り立ちません。そして、療法士だけでなく病棟スタッフと協力して治療を行います。

特殊疾患病棟は長期入院の方が多く、他の病棟チームと比べると患者さんと関わる期間が長く看取りまで療法士が関わる症例が半数以上を占めます。チームの目標は患者さんとご家族の残された時間をいかに充実させたものにするか、その中で患者さんが行いたいジョブを出来るだけ実現できるように努める事です。

現在はコロナ禍で面会禁止となっており行えていませんが、以前はご家族にも関節運動を指導し実施してもらうこともありました。ご家族の中には何かしてあげたくても「どう触ったらよいのか分からない」「手足を勝手にうごかしてもよいの?」「動かすのが怖い、不安」という声も聴かれていました。そこで療法士の治療場面に同席してもらい、資料をもとにご家族にも可能な範囲での関節運動の指導を行うことで、ご家族からも患者さんが“どんな反応をしたのか”“こんな表情を見せてくれた”など教えて頂け、ご家族とのコミュニケーションの機会が増えました。また、療法士が関わることで歩く姿を見て頂いたり、車椅子に乗ったり、端坐位を取った状態での会話をして頂き、普段ベッドに寝ている姿しか見ていないご家族や病棟スタッフからは「歩けるんだね」「座ると表情がちがうね」という言葉をかけて頂き患者さん自身もうれしそうな表情をされます。

表出がうまくできない患者さんのちょっとした変化を見逃さず、反応を引き出し、ご家族に伝えることも療法士の役目だと思っています。

チームの取り組み

ポジショニング指導や検討、勉強会の開催

特に褥瘡がある患者さんのポジショニングは適宜病棟と相談をしながら検討しています。 また、摂食嚥下サポートチームと共同で頸部のポジショニング用のクッションを使用し経過観察中。頸部の可動域拡大など一定の効果がみられています。

リハビリテーション治療効果の視覚化

関節可動域、座位頻度、座位耐久性の評価を行い、年度毎にデータを蓄積中。

音楽療法の実施

主には集団で行い、誕生日のお祝いや季節を感じてもらえるような内容を音楽療法士と一緒に考え開催しています(コロナ禍にて歌唱は現在中止中)。

病棟生活におけるQOL向上への取り組み

お花見など季節を感じてもらえるような外出の機会を提供しています。病棟と協力し施設内や施設近くへお花見に行きます(コロナ禍にて外出は現在中止中)。

ご家族とのつながり

リハビリテーション治療場面を動画で撮影し、ご家族に見て頂いています。また、オンライン面会の時間に合わせて車椅子離床を行い普段見られない様子を見て頂くように病棟と協力をしています。

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