外来アートギャラリー

國近陽介 タイルモザイク作品集(展示期間 2015年1月〜)

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國近陽介 タイルモザイク作品集
【國近 陽介(くにちか ようすけ)さん】
通所リハビリせいわ デイケア利用

 福岡県出身。現在、倉敷市在住の54歳。タイルモザイクとは無縁の世界に住んでいた人であり、仕事は酪農家が休みをとる際に、酪農家に代わって搾乳や飼料給与などの作業を行う酪農ヘルパーをしていた。
 ところが、今から約11年前に仕事中に身体の異変を感じ、難病とされる脊髄空洞症(100万人に4〜5人の確率で発症し、まず片手片足の痛みや温度に対する感覚が鈍くなり、やがて両手足の力が入らなくなる病気)と診断される。その後2回の手術を行ったが徐々に症状は進行し、3年後に退職。川大、吉備高原リハビリテーションセンターにてリハビリに専念される。元々は右利きであったが、病気が進行し右手の握力が5kg以下(現在は0kg)となり約4年前に利き手交換を行っている。
 國近さんとタイルモザイクの出会いは、今年の5月に通所リハビリで担当作業療法士が提案したのがきっかけとなった。本人の塗り絵を見た担当作業療法士は、実にユニークで色の表現が素晴らしく、これをタイルで表現すると、また違った見え方になるのではないかと思ったからだ。

國近陽介 タイルモザイク作品集
 タイルモザイクを始めて、「何か違う世界を見てしまった感じ」とタイルモザイクの世界に魅了された國近さんは、両手の不自由さを抱え思うようにいかないことも多々あったが、作品をデザインし、作り上げていくことの楽しさを体感した。「次から次へと作りたいデザインが浮かんでくる」「タイルモザイクのおもしろさはタイルを掴みさえすれば、自分の想い通りに表現できるところ」とタイルモザイクへの想いを語ってくれ、現在までに9作品を手掛ける。
 そして作ることで自分らしさを表現し新たな自分への挑戦を続けている。

担当作業療法士 西岡敬子 記

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